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頭痛のフィジカル

頭痛できた患者さんがERにきた時、

緊急性の高い疾患としてくも膜下出血髄膜炎緑内障、巨細胞性動脈炎が上がります。

女性では、嘔気も伴えば特に、妊娠も考えます。

硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳腫瘍などによる脳圧亢進症状で出ている可能性もありますし、化膿性副鼻腔炎も原因となります。

 

初診の場合は、それらを除外できた上で、一次性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛)や、鎮痛薬の過量服用による頭痛を考慮します。頭痛とうつ状態にも関係があると言われています。

 

今回は、それらを瞬時にスクリーニングできる(あくまで参考所見ですが)フィジカルについてです。もちろん、収集できた情報をもとに、検査前確率を高めた上で、ですが。順番はあくまで参考です。

 

1、Jolt accentuation(1秒間に2ー3回の周期で頸を横に振ってもらう。または、他動的に振って頭痛が増悪する)や項部硬直をみます。項部硬直は疾患ありでも出ない事がありますが、SAHや髄膜炎の参考所見となります。

2、次に副鼻腔炎、特に前頭洞炎の圧痛を確かめる事ができます。

3、巨細胞性動脈炎の参考として、側頭動脈に沿った発赤や圧痛を伴った結節、または赤い皮膚線条がないか確認します。

4、次に、目を観察します。緑内障であれば、目の発赤、瞳孔の軽度散大、対光反射の消失などが出ることがあります。高度の頭蓋内圧亢進状態であれば、瞳孔不同がみられることもあるかもしれません。ただし、みられなくてもこの種の疾患は否定できません。カラーコンタクトの有無が参考になることもあるようですので、注意してみる必要があります。

 

これらの所見から、陰性所見を集める事で、より確からしい診断につなげる事ができます。この所見どりは、ERでは短時間で集めるべき内容ですので、学生のうちから、友達と、あるいは許可が取れれば患者さんにお願いして、練習しておいてもいいかもしれませんね。

 

(編集:りゅ)